>PiNECoNeS 広島県の西の玄関大竹市から「スパイスのある自分らしい暮らし」を発信していきます。


日記

PiNECoNeSメンバーが綴る、日々つれづれ。
<< PiNECoNeSの2015年 | main | 2016年4月22日(金)は98base OPEN DAY!! >>
『自分たちの大好きな町で楽しく暮らすための場所づくり』


広島県と山口県の県境。山と海に囲まれたのどかな田舎の風景と、
海岸沿いには、大きな工場が立ち並ぶ工業地帯の顔を持ち合わせる大竹市。

宮島と錦帯橋という人気の観光地にはさまれた
いわゆる「通り過ぎる町」といわれる場所。

都市に行けば、お洒落なイベントや市がたくさんあるのに、
このあたりでは無いんだなぁ、と感じていた私たちは、
地元周辺にも丁寧な物づくりをする作家さんたちがいるはず。と
思い立ち、2011年の秋「デアイマルシェ」という
雑貨イベントを企画開催した。

大竹市の山間部、松ケ原地区で開催されたこのイベントには、
900人のお客さんがやってきた。

「もっといろんな人と関わって、何か楽しいことをしたいね」という理由で、
わたしたち運営メンバーは、グループに ”松ぼっくり” という意味の
《PiNECoNeS(パインコーンズ)》という名前をつけた。

メンバーはすべて女性。
それぞれ、カフェやエステを経営していたり、WEBデザイナー、
グラフィックデザイナー、カメラマンの仕事をしている。

当時、わたしたちは拠点を持っていなかった。
メンバーが集まったり話し合ったりする場所として、
メンバーのひとりが経営するカフェ《UPHILL》へ、自然に集まった。
このカフェ《UPHILL》が、私たちの活動の仮拠点となった。

1回目のデアイマルシェを開催した松ケ原地区には、2008年に廃校になった
「旧松ケ原小学校」がある。UPHILLからはこの廃校が見える。
木々の隙間から見えるこの廃校が、なんだか寂しそうに見えていた。
2回目のデアイマルシェはこの廃校を使いたいね、とメンバーで話し合った。

2回目の会場になった「旧松ケ原小学校」。

掃除の様子。

デアイマルシェでは、作家さんの他に、
地元の農家さんや自治会のみなさんに採れたての野菜やうどん、
郷土料理などを出店してもらったりして、3回ほど開催した。
2012年に2回目、2013年に3回目を開催し、
それぞれ2500人、3500人のお客さんがこの山間の廃校に来てくれた。





実際のところ、会場探しや交通渋滞、駐車場の面でとても苦労した。
これはどのイベント運営でも悩むところではあるが、
この頃から、私たちはぼんやりと《自分たちの自由になる会場、拠点》
という場所を意識し始めたように思う。


《廃校備品、売りませんか?》

ある時、市役所の方たちと取り壊し予定の廃校に入る機会があった。
廃校の備品は、業者さんが買い取って残った後のものは捨てるという。
「勿体ないですよ!」私たちは思わず言ってしまった。
市役所の方たちはこんなものが売れるのかと、目を丸くして、
はたまた疑いの目で私たちをみたのを憶えている。

2回目のデアイマルシェを開催した旧松ケ原小学校にも、使われなくなった
廃校備品がたくさん残っていた。3回目のデアイマルシェで売ってみませんか?と
私たちはダメもとで打診してみた。まさか出てくれるとは思ってもいなかったから。

しばらく経った頃、「出店します」と、市の担当者さんからお返事をいただいた。
この出店が2回目のデアイマルシェで大変なことになるとは思ってもみなかった。






普段、古道具屋さんなどでしか手に入らなかった
(もしくはその店舗でさえ扱っていないレアな)ものまで安く販売されると聞き、
田舎の廃校にすごい人が押し寄せた。
一番ビックリしたのは市役所の方たちだったと思う。
だって、予想もしないものが、すごい勢いで売れるんだもの!
これが、廃校備品を販売するイベント《廃校ノスタルジア》を
開催するきっかけとなった。


ちいさな椅子やピアニカ、ビーカーや絵本や教材。。
これらが使われずに朽ちていくのは勿体ないし、子どもたちにまた使ってもらいたい。

デアイマルシェと同じく廃校になった旧松ケ原小学校を会場にして、
2014年11月《廃校ノスタルジア》と銘打って、
市役所とPiNECoNeSの市民協働事業として開催された。
市町が市民に使われなくなった廃校備品を販売するスタイルはなかなか珍しいらしく、
たくさんの人が押し寄せた。


《大竹和紙との出会い》
大竹和紙の原料になる楮畑。中本さんが管理している。

夏の芽かき作業の様子。

私たちの住む大竹市は、広島県で唯一、手漉き和紙の文化が残る地域だ。
しかしその大竹和紙を管理運営している方たちの高齢化や
原料の問題など多くの難題を抱え、
近い将来途絶えてしまうのではないか、というところまできていた。

2012年、その大竹和紙の関係者から
「大竹和紙を盛り上げて手伝ってくれないか」という
話をいただいた。ただ、当時の私たちには課題が大きすぎて、
すぐに手を出すことが出来ないでいた。
私たちは《大竹和紙》をよく理解していなかったし、
はっきり言えば、大竹和紙のことをくわしく知らなかった。

「まずは体験してみよう」。
私たちは《大竹手すき和紙の里》へ行き、まず手すき体験をしてみた。



ここで和紙の原料である楮(こうぞ)がこの地で栽培され、
使われていることを知った。と同時に、中本さんという高齢の男性が
ひとりで栽培と管理をされていることも知るのである。

この楮(こうぞ)と呼ばれる原料は非常に手がかかる。
夏は背丈ほど伸びた楮をかきわけて芽かきをしなければならないし、
冬は手を凍えさせながら皮を剥かなければならない。

※楮の皮むき作業の工程。詳しくはこちら→http://diary.pine-cones.org/?eid=305


この貴重な和紙の文化をどうにかして残したいし、伝えたい。
でも私たちがそうであるように、よく知らない人も多いはず。
大きなことはできないけど、楽しみながら知ってもらうことは出来るよね、
ということで私たちは《大竹和紙小市》というイベントを開催することにした。

大竹和紙小市ではいろんなジャンルの作家さんに
大竹和紙を使って作品を作ってもらった。
前に書いた《デアイマルシェ》やそのほか様々な活動で、
たくさんの作家さんたちと縁が繋がっていたので、私たちの思いも伝えやすく、
共感してくれる方も多かったのが有難かった。

会場も、縁あって西念寺という大竹を見渡す丘に建つ
とても雰囲気の良いお寺をお借りすることができた。

西念寺
大竹和紙小市の会場になった西念寺。丘の上に建つ、とても心地よい場所だ。






この大竹和紙小市は予想以上に反響があり、2014年と2015年に開催した。
詳しくはこちら→http://otakewashi.com/index.html



《拠点探し》
上に書いたイベントのほかにも、《Pineなお茶会》といって、
これから何かしたいんだけどどうしたらいいかわからない、という女性たちが集まって
ゆるく夢を語ったりする会を開いたり(後に夢を現実にした女性も!)、
大竹をぐるり巡るMAPを作った時は、掲載店のオーナーたちが集まって交流する場
《MAP night》というのも開いたりした。(共に2013年開催。)

この頃から《楽しいことを作り、ひとが集まって、行き交い、出会える場所=拠点》を、
真剣に探し始めた。

メンバーで商店街や空き家をいろいろと見て回るけれど、
なかなかこれという物件に出会わない。
出会えても貸してもらえなかったり、物件が斜めに傾いていたりして
断念する日々が続いた。

私たちには拠点を自分たちの事務所として使う以外に、
建物を自由にいじっていい物件で「いずれカフェをする」ことと
「人が集まれる何かお店をやる」という条件があった。

いいなぁと思う空き家や、
とても可愛らしい休校した保育園も見に行ったりしたけれど、
会社組織でもない、NPOでもない私たちに貸してもらえそうな、
そんな都合のいい場所はなかなかなかった。

2回目の大竹和紙小市が終わる頃、
選挙事務所として使われていた空き家を紹介してもらった。
空き家は、選挙が終わったら取り壊す予定だという。
昔は宿場町で賑わい、材木店を生業としていたこの家は、
地元でも裕福なお家だったようだ。



リノベーション前のようす。



築70年のこの空き家は奥に広く、中庭があった。
キッチンも広い。
2階には日当たりの良いちいさな部屋がふたつ。
ただ、しばらく放置されていたので、所々痛み、
雨漏りのある物件だった。


私たちはすぐに話し合って、
メンバー6人でお金を出し合って借りることにした。
2015年11月、デアイマルシェから4年経っていた。


《リノベーションと雨漏り》

天井を落とす。70年分の埃!


11月に借りてから、私たちはすぐに最初のテコ入れをした。
いつもお世話になっていた株式会社中村建築の大工、中村くんに協力してもらい、
天井を落とし、壁の一部を壊してリノベーションを始めた。
メンバーの古くからの友人が、古かったトイレを洋式にしてくれたり、
壁の塗料を提供してくれた。


畳から床板に新しく張り替えた。手前はこれから。

このリノベーションでも、いままでの活動で繋がった人たちが
ボランティアで手伝ってくれて、それも砂まみれになりながら、
みんな楽しそうに協力してくれるのである。
お金のない私たちには、涙が出るくらいとても有難かった。

拠点を持って思ったこと。
私たちはたぶん「まちづくり」をしているのではなくて、
自分たちの住むこの地域でみんなで楽しく、
ただミニマムに暮らしたいだけなのだと気付いた。

2Fは写真スタジオとデザインのアトリエとして使うことになり、
2月11日には「未完成見学会」を開くことにした。
リノベーション途中なので「未完成」。その未完成の場所をみてもらいながら、
自分たちの住む町を楽しめたらいいなぁと思っている。


最初にリノベーションが完成した2F部分。事務所と写真スタジオ、ショップになる。


この空き家の名前は、玖波駅の近くにあるから《98base》と名付けた。
今年もまた少しづつ、この拠点をリノベーションしながら、
人が集い、交流し、楽しめる場所としてスタートする。


PiNECoNeS
https://www.facebook.com/PiNECoNeS20120101/
http://www.pine-cones.org

98base
https://www.facebook.com/98base/?fref=ts

株式会社 中村建築
http://kenchikunakamura.com/

カフェUPHILL
http://ameblo.jp/uphill2005/
by non| 日記 | 08:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
PAGETOP
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://diary.pine-cones.org/trackback/339
トラックバック
PAGETOP